漱石記念漢詩大会

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お知らせ

第一回漱石記念漢詩大会は、平成28年12月3日―4日に、熊本大学工学部百周年記念館にて、 全国から参加者約200名を迎えて、盛大に行われました。

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第一回漱石記念漢詩大会開かる



                   第一回漱石記念漢詩大会in熊本が平成二十八年十二月三日、熊本市中央区の熊本大学工学部百周年記念館にて 開催された。これは、漱石が第五高等学校の英語の教師として熊本に赴任してから今年がちょうど百二十年に なることを記念して、漱石記念漢詩大会実行委員会(委員長・柏木濶熊本大学名誉教授)主催で開かれたものである。

全国から四百二十二首の漢詩の応募があり、約二百名の参加者があった。

 開会の辞のあと、表彰式が行われ、次の方々に賞状が授与された。(敬称略)

最優秀賞・佐藤侃司、
優秀賞(前田隆弘、藤川俊二朗、田沼裕樹、能登外茂次、小嶋明紀子)
佳作十名代表・加茂達子
入選二十名代表・川上修巳
奨励賞六名代表・岩田一男

ついで、審査をお願いした全日本漢詩連盟会長の石川忠久先生による「選評とお話し」があった。 「応募数も多く、格調高い作品が多かったので、選ぶのに苦労した」との選評があり、その後、 漱石の漢詩についてお話があった。

次に、熊本大学名誉教授の小野友道先生による「医者の眼から漱石を読んでみる」と題する特別講演が行われた。 皮膚科の専門医の立場からのお話であった。漱石は子供のころ、腕に接種した種痘を手で掻いたらしく、それを顔につけたので、顔に あばたができた。漱石はそれを嫌って写真などをとるときに、常に修正を求めたそうである。

次に、五高寮歌である「武夫原頭に草萌えて」が流れるなかで、アトラクションに移った。はじめに、 中高生六人による構成吟「夏目漱石¦熊本の漢詩より草枕編、春日静坐、春興」が披露された。中高生の 若い声が会場に響き渡った。ついで、優秀賞以上に選ばれた作品の詩吟が行われた。 最優秀賞(佐藤侃司)は、熊本県吟剣詩舞道総連盟理事長・古庄吟法氏により、吟じられ、 他の優秀賞五首も熊本にある吟詠道の師範などのよって吟詠された。

その後、午後六時から懇親会が熊本大学生協の「フォリコ」で開催され、五十一名の参加があった。 はじめに石川先生から「たくさんの方々のご参加があり、熊本は層が厚いと感じた」と再びお褒めの お言葉をいただいた。そのあと、住田笛雄常務理事による乾杯の音頭がとられ、石川先生が即興に 作られた漢詩を吟じられた。

清雅文風満會堂
吟詩吹笛興逾長
滔々一百年後日
漱石先生在此郷
  岳堂
酒がすすむとともに、和気藹々、交遊を温め、詩論を論じ、楽しいひとときであった。

 翌日、十二月四日、漱石に関連する旧居や小天温泉などを探訪する見学会が行われた。 大型バス一台に四十二名の参加者があった。はじめに漱石の第五・第六の旧居を訪れた。 つぎに「おいと声をかけたが、返事がない」と草枕に登場する金峰山の近くの「峠の茶屋」を訪れた。 そのあと小天温泉郷に至り、晴れていれば、鈴なりになっているミカン畑と、青い有明海、 その向こうに雲仙普賢岳が見えるはずだったが、あいにくの雨と濃霧でそれが見えなかったのは 残念であった。那古井館(温泉旅館)にて、昼食の会席料理を楽しみ、温泉に入った人もいた。 そして、前田家別荘を見学し、漱石が滞在した六畳間(現存)と浴室(現存)を見た。浴室は、 漱石が入っているときに、宿の娘が間違って入って来て、漱石に気が付いて慌てて逃げて行ったという 草枕の話の現場である。明治時代にしては、大変りっぱなコンクリート製の浴室である。 その後、湧き水の豊富な「鏡の池」を見学してその美しさに感歎した。 終わりは、熊本駅と熊本空港までお帰りの方をお送りして、来年の再会を約して一同散会した。

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[主催] 漱石記念漢詩大会実行委員会
[後援] 熊本県、熊本市、熊本日日新聞社、熊本県文化協会、熊本県漢詩連盟、熊本県吟詠連盟、 公益財団公認 熊本県吟剣詩舞道総連盟、放送大学熊本学習センター漢詩勉強会、夏目漱石記念百人委員会、夏目漱石・記念年実行委員会、くまもと漱石倶楽部 
[協賛] 原泉吟社、龍南吟社、凌雲吟社、石泉詩会、嘯風吟社, 吟詠フォーラ熊本、舒文堂 など

問い合わせ先
860-0862 熊本市中央区黒髪4-711   柏木 濶(漱石記念漢詩大会実行委員長 メール kashiwa@gpo.kumamoto-u.ac.jp 携帯 090-8398-5936)  問い合わせはできるだけメールでお願いします。









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